ずっと神様だった、山や海。そこに住む生物が減るたびに、どんどん、ただの自然になっていった。

八百万の神という考え方が、古来、日本にはありました。この世に存在するあらゆるものを神様として敬う心。その中には、海や山をはじめとする自然環境も含まれていました。

山崩れを防ぐ森の木々、津波を食い止める珊瑚礁。

昔の人々は、生態系や生物たちによる自然環境に与える機能は理解していなくても、日常的に身の回りに存在していた大いなる力を、感じ取っていたのかもしれません。